こんにちは!北九州を愛する人が、北九州に愛される人を応援する「キタキュウーピープル」。北九州の「食」の最先端が集まる「ブルーオーシャン」の濱中さんに、「香りすと」として活躍する明瀬さんが話を聴きます。お伺いしたのは3月中旬、これから春!という日でした。

「ブルーオーシャン」はJR八幡駅から徒歩1分。いつ伺ってもお客さんが多い、大人気のお店です。

「おいしいを描く食のアトリエ」

「こんにちは。今日はよろしくお願いします。お時間いただき、ありがとうございます。」

「どうも、いらっしゃいませ。なんでもお話しますよ~。なんでも聞いてください。」

「(笑)。本当にいつも美味しい食事をご提供いただいています。『美味しいを描く食のアトリエ』どんな秘密があるのでしょうか。」

「ありがとうございます。そうですね、まず旬のものをお出しするように心がけています。基本メニューがあるにはありますが、お客様と事前に会話をさせていただくようにしております。お客様の“これ食べたい!”というご希望になるべく沿うように心がけています。」

「そうですね。でも、いつも本当に我が儘聴いていただいているのですが、お手間ではないですか?調理法までカスタマイズしていただいていますよね。」

「いえいえ。どんなにおいしい食材でも、食べていただく方に寄り添って作らなければ台無しですよね。また、何度も通っていただいている方であれば、その方の好みに合わせて、旬のものを一番良い状態で食べていただけるようにしています。」

「例えば今日なら何がオススメですか?」

「今日は“菜の花”“あさり”がいい感じです。あと、豆を蒸したのがいいですよ。」

「それ、いただきます。あとはお任せでお願いします。あ、フレンチトースト、食べたいです(笑)」

笑顔が素敵な濱中さん。会話の中で、優しいお人柄があふれてくるようです。

「旬のものをいただけること以外に留意されていること、ありますか?」

「北九州の素材であることも大切にしています。ですので、毎日朝から開店前まで、市場を走り回っていることも多いです。」

「北九州の旬。最先端をご馳走していただいているんですね。文字通り、北九州中を走り回って。」

「ありがとうございます。そうなんです。どの市場のどの店がどう良いかについては、たくさん経験を積み、わかってきました。」

『ひよこ豆と大豆を蒸したもの』水煮より蒸す方が豆素材の味がはっきりする印象。豆本来の甘さが口いっぱいに広がります。砂糖の甘さとは全く違う優しい甘みです。

釣り師だった少年時代

「これ、凄い美味しいです。濱中さんはどうしてこのようなお店を作りたいと思ったんですか?」

「それ、長くなりますよ(笑)」

「教えてください。」

「僕、小さい頃、釣りしかしてこなかったんですよね」

「ええ」

「本当に、小中高と、釣りしかしてこなかったので、自然と“ポイント”に入りたいと思っていたんです」

(注:「釣りの~決め手は、ポイント♪ポイント♪」のCMで北九州の民がみんな知っている、大手釣り具チェーン。)

「ポイントさんで、たくさんの仕事をさせていただいていたんですが、何というかですね・・・」

「ええ」

「あるとき、もっと自分を育ててくれた川とか海に恩返ししたいっていう気持ちが強くなってきたんですよ。」

「それで、このお店を始められたんですね」

「そうです。そうです。でも初めは全然うまくいかなっくて。」

『鳥のから揚げ』ブルーオーシャンさんでは珍しいメニューとのこと。口の中に入れた瞬間に鶏肉がほどける柔らかさ。肉の旨みが噴き出ます。

水道屋さんに感謝

「ガスや電気まで止まったたこともありました。残ったインフラが水道だけになったとき、『もう終わったな』とさすがに思いました。」

「で、水道の集金のおじさんが集金にきました。もちろん払えないですよね。それを伝えたら集金の方が『100円だけ払ってくれ。そしたらなんとかするから』って言ってくれたので100円払ったんです。」

「おお。そうなんですか」

「そしたら、上と掛け合ってくれて、何とか待っていただけたんです。払う意思はあることを伝えることはできたのでしょうか。」

「その後、お客さんが来てくれて、走って材料を買いにいったんです。本当にギリギリのところでなんとかなったんです。」

「おお、それは、その方に感謝ですね。」

「まさに。感謝してもしきれませんね。」

「で、今がある、と。その方に、我々も感謝しなければいけませんね。」

「ありがとうございます。」

「カマンベールのチーズフォンデュ」焼いたカマンベールチーズの中に、お野菜やクラッカーをぐいっと入れて食べます。野菜の甘みが凄いです。

地域に貢献することを前提としたスタイルを伝えたい

「濱中さんは、何かこれからやっていきたいことなど、ありますか?」

「もう地域に貢献できることだったらなんでもやりたいですね。」

「本当に凄いですよね。バイタリティが。」

「とんでもない。明瀬さんも様々な活躍をされていらっしゃいますよ。」

「いえいえ。」

「あさりと菜の花の和風パスタ」 あさりの旨みと菜の花のほのかな苦みが最高です。また出汁が旨いです。かつお節とあさりの味が海の慈しみそのものです。北九州の海は素晴らしいですね。

この小さな飲食店が成功する方法は、誰にでも伝えます。

「ひとつテーマがあって。」

「なんでしょう」

「北九州の飲食店に伝えたいんですよね。こんなやり方もあるってことを。」

「どういうことですか?」

「大手と同じ土俵で張り合わないことが大切だと考えているんです。」

「ええ。」

「大手と張り合って値段競争しても、勝てるわけじゃないんです。付加価値じゃないですか。我々の個人飲食店が戦う道は。」

「なるほど。」

「3年は我慢できるけど、3年以上は儲からないと続けることはできない。だから勝負していくには仕組みが必要。」

「ですよね。」

「価格競争が厳しくなっている中で、地域の食材を出して地域に貢献して、地域の卸や生産者の皆さんにお金が回っていく仕組みを作らないと、ローカルでは成功できないと考えています。」

「その通りかもしれませんね。そんなお店にもっと増えてほしいと思います。」

「そうなると、地元も活性化されますし、循環していきます。今、私が体験したこと、すべてをどなたにでもお話しできます。どこの市場でどの商店がの海老が最高だとか。もちろん今のノウハウまで全部、お話しします。」

「弟子入り志願をされる方が増えそうですね。」

「ウエルカムです。」

明瀬さんイチオシのフレンチトースト。ふわっふわのとろっとろです。甘さ控えめなのに満足度が超高いです。

「今日はありがとうございました。そしてご馳走様でした。」

「こちらこそ、ありがとうございました。」

八幡駅から徒歩1分。北九州の最先端を味わえる。

適正な価格で生産者や市場にお金が回っていく仕組みを作ること。その結果、北九州中の「食の最先端」がブルーオーシャンに集まる。それが小さなお店の成功の秘訣なんですね。北九州の自然が大好きな濱中さんだからこそ、できたことかもしれません。

しかし、仕入れの値段を下げることが飲食店の成功ではないという視点を、もっと我々も大切にするべきなのかもしれません。

他の地域からお客さまがいらっしゃったとき、「北九州のものが食べたい!」と言われることが良くあります。しかし、「この店が北九州の食材を使っています!」と、胸張ってオススメできるお店がどれだけあるでしょうか。そんなとき、ぜひ「ブルーオーシャン」をオススメしてください。

ブルーオーシャンさんは、北九州そのものです!

地元に住む我々としても、こんなお店を大切にしていきたいですよね。地元を愛し、地元に愛される。

そんな「ブルーオーシャン」が大成功を続けることが、我々の、まちへの貢献かもしれませんね。私たちが美味しくいただいた対価は、確実に北九州の中に還元されています。

これぞキタキュウピープルですね。

公式facebookページはコチラ→「おいしいを描く 食のアトリエ」Trattoria Bar BlueOcean
香りすと明瀬さんのHPはコチラ→香りを風にのせて ~北九州のまちの風景を 植物が持つ自然の香りでお届けします~

「ブルーオーシャン」も、おもてなし認証、取得です!

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中川 康文

北九州で講師やカウンセラー・ファシリテーターなど、様々な分野でほんのり生きる38歳。一般社団法人街に心の栄養を 代表理事